「食べる楽しみ」を維持できる社会の実現を
歯科医院向け口腔リハビリサポートシステム「mogpal」を開発・販売
2026.07.13
「mogpal」は「もぐもぐ食べる(mog)」と「親友・パートナー(pal)」を組み合わせた名称で、ロッテおよびこのシステムを導入した歯科医院が、皆さまの豊かな食生活を支えるパートナーになるという意味を込めています。
高齢化が進む中、噛む力、飲み込む力、滑舌などが徐々に衰える「オーラルフレイル」に該当する人が増え、また子どもにも噛み切れない、飲み込みづらい、口が開きっぱなしといった「口腔機能発達不全症」の発症が社会課題となっていることが、「mogpal」開発の背景にあります。オーラルフレイルは要介護や死亡リスクの上昇につながり、口腔機能発達不全も歯並びや発音などに悪影響を及ぼす恐れがありますが、いずれも早期に気づき対策を行えば改善が可能です。「mogpal」は、その「気づき」と「対策」をサポートするパートナーとしての役割を担うシステムです。
口腔ケアを施す歯科医院を拠点として、「mogpal」は皆様の「歯と口の健康」を保つことを目指します。2026年度の診療報酬改定で口腔機能実地指導料が新設されるなど、口腔ケアを重視する流れが加速していますが、「日々の治療に追われている」「知識や指導力を持つスタッフの数が足りない」などの理由から、導入に踏み切れていないクリニックが少なくない現状にあると推察されます。
そこで「mogpal」は、これから口腔ケアを取り入れるクリニックに向けた「導入・学習」機能を充実させています。「なぜ口腔リハビリが重要なのか」「何をどう始めればよいか」といった基本を理解するための動画や資料、医院内でのオペレーションを構築できるソフトウェアを提供し、診療体制を整えます。導入に伴う書類作成やデータ管理も自動化されるので、業務コストの削減も図ることができます。
導入先の歯科医院ではまず、歯科医師などが患者さまの口腔内の状態を検査します。舌苔の付着度や口の中の湿潤度、舌や唇の運動機能などを目視もしくは計測器を使って数値化し、「mogpal」のソフトウェアにデータを入力していきます。数値は瞬時に分析され、評価が画面に表示されます。
歯科医師はシステムによる評価を参考に自らの専門的判断に基づき、患者さまの状態に応じた説明や指導を行います。唾液腺をマッサージして口腔内の乾燥を防いだり、舌を動かして筋肉を鍛えたり、それぞれの状況に対応したトレーニング、リハビリ方法を紹介した動画を「mogpal」は約30本用意しており、自宅でのリハビリ継続にスムーズにつなげることができます。
「mogpal」開発の土台となったのは、ロッテグループが長年取り組んできた「噛むこと」に関する専門的な知見とノウハウです。咀嚼や口腔機能が全身の健康に与える影響が一般にはまだ十分に知られていなかった創業当時(1948年)から、ロッテではその研究と啓発に力を入れてきました。2017年に開設したウェブサイト「噛むこと研究室」では、自社で培ってきた知見をベースにさまざまな外部の研究機関や企業、自治体と連携して「噛むこと」の重要性を広く発信しており、2026年7月現在、全国31の自治体と連携協定を結んでいます。さらに2018年には「噛むこと健康研究会」を発足し、歯学、医学、栄養学、スポーツ科学、内分泌代謝内科学などの専門家、研究者の協力によって、「噛むことと全身の健康」について多面的なアプローチを展開しています。噛むことによって脳が活性化されたり、ウォーキングの効果が上がったり、フェイスラインが引きあがったりする効果があることを突き止めるなど、共同研究の成果を上げています。
販売開始当日の6月4日に開催した記者発表会では、ロッテホールディングス社長の玉塚元一が「この取り組みを口の中の健康に貢献するプロダクトとして進化させると同時に、グループ全体で口の健康にコミットしていきたい」と挨拶しました。ロッテホールディングスウエルネス事業戦略部部長の平井秀治も「我々が最も注力しているオーラル領域での大きなローンチとなる。噛むことの研究から得た知見で、ロッテらしい社会貢献をしていきたい」と述べました。さらに、プレ販売を行った東北エリアで「mogpal」を試験導入した「たかだ歯科クリニック」(岩手県滝沢市)の高田昌樹院長が、開発を担当したウエルネス事業戦略部の小原裕平とともに検査のデモストレーションを行いました。高田院長は「口腔機能低下症への対応が必要だと感じながら、検査や指導の難しさがハードルになっていた。『mogpal』を使うことによって、短い時間でしっかりとした対応が可能になり、口の中だけでなく患者さまの全身全体に目を向けることができるようになった」と感想を話しました。